2020年03月03日

N君のこと

少し前2月26日の昼間に
珍しく母から電話があった

「あんな、驚いたらあかんで…」
父にまた別の癌が見つかったのか?
いやな想像が膨らむ

「N君が亡くなってん」

一瞬言葉の意味が呑み込めなかった
その後出たのは声にならない叫び声

まったくまったく予想外だったので

実家の近くに住む従兄が亡くなった
48歳の若さで

3年前に頭部に癌が見つかったらしいのだが、
手術ができない場所で、抗がん剤や放射線その他、
出来ることは何でもしたらしい

が、今年2月の初めに容体が悪化し
あと5日…と言われたそうだが、
彼の長男が高校入試に受かったのを聞いて
21日に息を引き取ったそうだ

毎年年末のお餅つきには朝早くから来てくれ、
人懐っこい笑顔で皆を和ませ
それでいて、気配り目配りが完璧な人だった

ここ2年ほどは外国からのお客さんの接待があるから
と参加していなかった

病気を隠すためのウソだったと初めて知った

うちの息子たちの入学には忘れずお祝いを送ってくれ
それもお金でなくそれぞれが喜びそうな文房具や本だったことが
親としては嬉しかった

お古でごめんな〜と言いながら
実家にもってきてくれた
新品にしか見えない彼の息子が乗っていた自転車を

うちの長男がいま乗っている

N君は病気がわかってから
周囲に心配をかけたくなかったからか
家族と彼の実家以外には全く知らせないように
知られないようにしていた

彼のお母さんである私の叔母とは
何度も会っていたのに
そんなそぶりは全く見せず
なので露ほども疑うことはなかった

彼は亡くなった後も家には戻らず
葬儀場に直行し家族だけでの見送りをし
その数日後に私たちに知らせが来た

なので、驚いて悲しいのに
まったく実感がない

気にした父ちゃんが、子供たちを見とくから
お参りに行って来たらと言ってくれたのだが
この新型ウィルス騒ぎで
あきらめた

叔母から、4月にお別れの会を開くから
そこにきてくれたらいいからねとやさしい言葉をもらった

彼を思うと目に浮かぶのは
ちょっとふっくらした体形で汗をかきかき
にこ〜っと笑っている眼鏡の笑顔と

たぶん私にとっては一生に一度だろう
リッツカールトンホテルでの彼自身の結婚式で

網脂ハンバーグをごちそうになりながら
ほほえましく眺めていた
花嫁さんよりもぐしゅぐしゅに泣いていた
感激屋の彼の嬉し泣きの顔

みんなが持っている彼の笑顔の印象を壊したくなかったのかな…

今となっては、彼が自分の美学を貫けたことを
良かったねと言ってあげることしかできない
よく叔母も3年間黙っていられたと感心するが、
愛する息子の希望だから、かなえてやろうと必死だったんだろうな

電話した時に、つらかったと漏らしてくれた
本当に泣けてくる

家族を、社長として会社や社員を残して
逝くことの無念は計り知れないだろう

本当に彼にかける言葉がまだ見つからない

叔父叔母従姉、彼の大切な家族の
心の平安を願うことしかできない

長い独白にお付き合いくださりありがとうございました。
来月、N君にお別れを言ってきます

posted by 山本有機農園 山本夢 at 15:15| Comment(0) | 日記
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